blog.gif

過去に経験してきたもの。
肉体で感じ、目で見て、頭で認識してきたもの。
この手も、足も、腕も、太ももも、首も、唇も、頬も、背中も、
舌でさえも捉えてきたはずのものが、
今はテレビの向こうで起こっている事件のよう。
失うものは大きい。得るものは思ってたよりも小さい。
もちろんそれをわかった上で、いろんな「現在」を捨ててきたのだろう。
そのときの未来のためには正しかったのかもしれないが、
正しさの実感も今となってはよくわからない。

  

そして、

荒野にひとり。
頭上にはアホウドリ。
行く先では、「あれは一体なんだったんだ」っていうぼくのひと言が
雨雲のように停滞し、
霧のように薄く重く、足もとから掬うようにぼくを包む。
ぼくを包む、薄く重たい霧―
その霧を霧だと感じるときは少なくとも、
幸せだったのかもしれないと、我に返る。

32250004_R.JPG

お問い合わせ